それは日に日に暑さが増してくる夏の始まりの1日だった。

見知らぬ番号から電話かかってきた電話に、汗は引っ込み、私の世界は灰色になった。

二股相手からの電話

電話に出ると、気の強そうな女の声が耳に飛び込んできた。

「カレと早く別れて」

女は、そう言った。

それからその女は、私の知らない、たくさんの話を始めたのだった。

身体の温度がスゥーっと冷めていくのを感じながら、私はその女の話を一語一句漏らさないように聞いていた。

私は、一年も二股されて、気づいてなかったのだ。

4年間の依存と好きという気持ち

電話があった直後は、悲しい気持ちと、信じられないという気持ちが混ざって吐きそうになった。

気持ちも落ち込んで、仕事仲間の前で泣いてしまった時もある。

半年ほど忙しく、会えない期間もあったのだが、カレはマメで毎日連絡をくれた。

私の家族を気遣い、私にやさしい言葉をかけ、電話もしていた。

完全に、依存していたし、つらいときに支えてくれたから、カレのことを頼っていた。

積み重ねてきたものが一気に崩れ、心が落ち着かなくなった。

悲しい、つらい、憎い…いろいろな感情が渦巻いて、夏の日々が走り去るように過ぎていった。

相手にも「結婚する」と言っていた

カレとは4年も付き合っていたので、結婚の話もでていた。

カレの兄とも会い、バツイチ子持ちの自分のタイミングを待っている段階だった。

電話の向こうの女が言うには、まったく同じことを言っていて、兄にも会ったらしい。

カレは、電話の女と結婚してしまうのかもしれない。

自分より5歳も年上で、気が強くて、束縛が激しそうな女だった。

私の何がだめだったんだろう、なぜ、あっちを選んだんだろう…

頭の中がぐるぐる回って、悔しい思いが次々に湧き出てるのに、その女の監視が厳しいために元カレと連絡をとることすらままならなかった。

会って別れるのも、許してもらえなかった。
今年50歳になるその新しい女の執念を感じた。
その女に負けたと思う気持ちが、また私を落ち込ませた。

行き場のない気持ちは、ぽっかり浮いたまま、消えてくれない。
辛かった。

信じていたカレに裏切られて恋愛が怖くなった

思えば、嘘の多い人だった。

最初の出会いはネット。

見た目もタイプではなく、全然好きではなかったけど、明るくよくしゃべるマメな人だった。

付き合いが長くなるにつれ、大事な人になった。
私のわがままもきいてくれたし、時間や約束にルーズなカレのことを私も許していた。

今思えば、お互い甘えられる相手同士だったのだと思う。

私も、もっと怒ればよかった。
許すことが、相手への思いやりだと思っていたのに、結局束縛女にとられるなんて、やりきれない。

別れの理由が知りたい

二股相手の女に私の存在を知られたことで、終わりはLINEの一言だった。

「今の彼女にバレたから連絡できなくなりました」

私の4年間はなんだったんだろうというような終わり方だった。

理由も、気持ちもすべて聞くことができずに唐突に終わった。

なんなら、5歳上の女の激しいマウンティングで攻撃されまくって終わった。

「私は、合いかぎもらっている
プレゼントもしてくれた
大事にされている」

相手も必死そうだった。

29歳に必死にしがみつく50歳の女を思い浮かべると、少し、冷静になれた。

と同時に、それに負けたという思いが押しあがってきてつらかった。

負けてなんかない、カレは束縛されて、自由を奪われて言いなりになってるんだ。

そう思うこともあったが、それでも今の彼女のほうが好きで向こうを選んだのだと思うと、寂しかった。

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早く忘れてゆっくりすすみたい

振り返ると、友人は「そんな男やめときなよ」と声をかけてくれていた。

失恋しても慰めてくれたり、一緒に泣いてくれた。

私は、人に恵まれている。

元カレも、このままその女の束縛が続くと、どこかで逃げ出したくなるだろう。

それとも、押し切られて本当に結婚してしまうのかな。

とても悲しいけど、まだ気持ちは消えないけど、別れてよかったと思う気持ちもすこしづつ大きくなってきた。

今は自分に自信がないけど、元カレにかけていた時間もお金も、自分に使えるのだから、自分を磨いて、立ち直って、嘘をつかない、誠実な人と、また恋愛をしたいと思う。

バツイチの私のつらい時期を支えてくれた元カレには感謝しているけど、これから先に、そんな嘘つきの男はいらない。

さようなら。

もう、季節が変わる。


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